HIITは脂肪減少以外の効果も期待できる
HIIT(High intensity internal Training)のことは以前から知っていましたが、有酸素運動との比較として目に付くようになったので詳しく調べてみました。
よくあるのが、有酸素運動と比較してどちらがよりダイエット効果があるかということですが、HIITは有酸素運動に劣っていないようです。メタ解析したデーターでは、総体脂肪率(%)でが差はなかったが、総絶対脂肪量(kg)はHIITが-1.58kg、有酸素運動が1.13kgの結果で、HIIT方が有意差を持って多く減少させていました。よってHIITの方がより脂肪量を下げることができます。有酸素運動が効果がないわけではなく、比較データでは大差ないので運動するならどちらでもいいでのですが、少しでも多くを期待するのであればHIITの方がいいのでは!みたいな印象です。
しかし、HIITの優れている点としてダイエット効果以外にもいくつも報告があります。
- 運動後の低血糖を起こさない。血糖値を上げる効果がある。
- 太り過ぎの人への皮下脂肪の減少効果が高い
- 認知機能が改善する
1.運動後の低血糖を起こさない。血糖値を上げる効果がある。
Ⅰ型糖尿病者は有酸素運動後の低血糖が問題となりますが、HIITでは血糖値が上昇します。有酸素運動の終わりに10秒のスリントを1回入れるだけでいいのです。低血糖を防ぐことができるということは、運動後の空腹感を抑えることができるので、有酸素運動した後に無性にお腹がすき、走ったから少しぐらい食べてもいいだろうと食欲に負けて食べてしまって、せっかくの運動によるカロリー消費が台無しになることを防ぐことができます。HIITでは血糖値が下がらないので空腹感はなくなり、運動後の食べてしまうこともなくなります。
有酸素運動後にHIITを入れると血糖値が下がらなくなるともいわれているので、有酸素運動の最後に100mダッシュを一本取り入れることは大きな効果があります。
High-Intensity Intermittent Exercise and Fat Loss
2.太り過ぎの人への皮下脂肪の減少効果が高い
ウオーキングなどの有酸素運動よりHIITの方が脂肪燃焼効果が高いようです。一般的にHIITは最大心拍数の90%を数十秒維持して休憩を挟んで数セット行うので、かなりきつい運動ですが時間が短縮できるというメリットがあります。忙しい現代人にはあっている運動です。ただ最大心拍数の90%を数十秒維持するのは本当にきついものです。私もできる限りの全速力で30秒走ろうとしますが、いつも気力が持ちません。もう少し短縮したインターバルや軽い運動でもHIITの効果があるとも言われています。上記の論文には20分間に8秒の強度トレーニング、12秒の緩いトレーニングを交互にいれるHIITを報告しています。8秒なら走ったり、自転車を漕ぐことができるので、ジョギングの途中やラストに取り入れてはいかがでしょうか。
3.認知機能が改善する
脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor,以下BDNF)というのがありますが、これは脳内における神経回路網の形成や発達,記憶や学習の形成に重要な役割を果たしているだけでなく,運動が認知機能を改善させるメカニズムとしても注目されています。
HIITを行うとこのBDNFが増加するという報告があり、HIITで認知機能の向上、維持が期待できるようです。この効果は持続的な運動よりHIITの方がBDNFを増加させると報告しています。
The Impact of High-Intensity Interval Training on Brain Derived Neurotrophic Factor in Brain: A Mini-Review
HIITの効果はいろんなところで注目されているので、その根拠となる文献を調べてみましたが、いろいろな効果が有酸素運動以上にあり、かつ短時間でできるのでちょっとした間を見つけて取り組むと体にいいです。